ルポ 死亡退院 ~精神医療・闇の実態~/NHK

スタッフが患者を叩いている。

以下は視聴のメモ。

東京八王子市 滝山病院

相原(あいはら)弁護士が患者と面会

支援患者数10人

2022年4月4日 一人の男性。家に帰りたい。ベットに縛られる。病室には帰りたくない。透析室で折檻された。知的障害あり。統合失調症、慢性腎不全、人工透析。病室に戻るのつらい。怖い。転院先を弁護士が探す。

弁護士と話したことを看護師から追求される。介護福祉士の見立てでは地域で暮らせる。それなら退院のために動こうとしたら2回めの面会の2週間か3週間後にその男性が死亡。

その後相原弁護士はこの病院の患者は事情はどうあれすぐさま退院させるようにした。

体をベットに縛り付ける身体拘束。記録に残す必要があるがカルテに身体拘束の指示なし。

転んだら困る。汚されたら困るから拘束する。抵抗するがスタッフが力ずくで拘束する。

良心が残っているスタッフが看護師長におかしいというと、馬鹿じゃないのとか言われるようになった。

夜の病棟のスタッフわずか3人。職員の9割がアルバイトなどの非常勤。サービスが低下するのは目に見えていると自覚。虐待はどこにでもある。この病院では虐待が日常茶飯事。

正直に記録するスタッフは異常とされる。

警察の捜査。スタッフの1人を逮捕。運営している都も調査。病院は虐待の事実はないと言っている。

滝山病院50年前から存在。

患者の連絡先は音信不通。家族は関わりたくないといった記録が見受けられる。入院して1ヶ月ぐらいしたら家族ももう全然面会に来なくなったりする。ご飯が食べれなくなったと家族に連絡したらそれぐらいのことで電話しないでくださいと家族が言ったりする。

死んだ人には家族やその人自身に問題があると院長は言う。

他の精神科病院からの転院。都内で人工透析ができる精神病院はわずか。滝山病院に内科も必要な患者がよく送られてくる。「滝山病院にいったら最後」受ける滝山も送る病院もお互い様の関係にある。

行政との関係。去年8月に亡くなった50代後半男性。編集者として働いていた。過労で倒れ、人工透析が必要になって滝山病院に入院。連作先は福祉施設。生活保護受給。54%が生活保護を受給。

26の自治体にアンケート。精神障害がある患者の受け入れ先が少なく、行政が滝山病院を頼っていることが判明。

飯田修さん。49歳統合失調症。人工透析。生活保護を受けていた4年前に滝山に入院。クリニックに行くのをやめたら保健所の人(生活保護のケースワーカー)が来て、4人に車に乗せられて滝山病院につれて行かれた。行き先も告げずに。前の病院に見捨てられたのだ。どこにも行くところがない。医療保護入院(強制入院)→家族がいれば家族の同意が必要。姉は音信不通なので市長の許可で入院となった。しかし姉はそうではなかったと言う。ケースワーカーから姉には滝山に入院させると連絡があったのに。家族の同意がないのになぜ強制入院させたのか。所沢の役所に問い合わせた。個別の事案になるので回答できないと市の職員。

飯田さんの入院生活は4年近く。院長によると福祉が出さないでくれと言っている。市役所としてはなんとしても飯田さんを滝山に入れたかったと院長は言う。

生活保護を担う行政が滝山病院を頼っていた。

元福祉事務所ケースワーカーによるとスタッフは業務が過大になって困難を極めている。滝山が受け入れてくれているのはありがたい。

生活保護受給者の受け入れは病院にとってもメリットがある。生活保護費は公費で賄われているので安定した収入である。医療費の未払いの心配がない。生活保護費の4分の1を精神科が占める。医療機関の中に囲まれた棄民政策であると専門家。

今から40年前1984年報徳会宇都宮病院。患者が鉄パイプでスタッフに殺された。病院は今でも存続。

神出病院2020年3月。患者への集団暴行事件が発覚。患者のおよそ3割が生活保護受給者。林弁護士。事件の調査。虐待や違法な身体拘束が横行。入院中の死亡が4割を超える年もあり。院長は高収入。兵庫県はなんの指導も行わなかった。

社会悪、必要悪だといって目をつぶるはだめと林弁護士。事件から2年半が過ぎ、病院、神戸市、兵庫県の再発防止に向けた協議がようやく始まった。病院を廃止することはない。虐待患者の多くはいまも病院にとどまったまま。

都の滝山病院の調査ではおよそ問題なしとなっている。国、厚生労働省はどう見ているのか?おかしいところがあれば厳正に対処する必要がある。

相原弁護士の事務所。滝山病院にいる友人を助けたいとの依頼。鎌木さんが。かわいはるこさん(プロの漫画家として活動していた)を助けたい。難病(多系統萎縮症)になって滝山病院に送られた。病棟で働いていたスタッフにかわいさんの様子を聞いたところ放ったらかしだった。寝たらそのまま寝かせている。転院したい、診察してほしいとそのスタッフは伝えたが何もしなかった。無視された。

退院につなげるための道筋が滝山病院にはない。かわいさんの治療はどうだったか?薬が投与されていない。薬の投与なしでは寝たきりにより早くなる。かわいさんは病状が進行しており、話せなくなっていた。鎌木さんはコロナ流行で面会できなかったが、鎌木さんに会いたいとまばたきで弁護士に知らせた。

過去10年分の患者1498人の記録。様々な理由で滝山病院に入院。死亡が退院の理由だったのは1174人。全体のおよそ8割(78%)。

かわさきさん、夫こういちさんが滝山病院で死亡した。タクシー運転手。糖尿病、人工透析、認知症、介護が困難になり滝山病院を紹介された。亡くなる3ヶ月前のこういちさんの映像。腰に大きな褥瘡あり。2週間で拡大。皮膚が壊死して内部の組織がむき出しになっていた。痛いのにスタッフはうるせえなとか言う。発熱、肺炎などの様々な合併症を被った。コロナで家族は面会ができなかった。そんなに悪く状態ではないと家族は思っていた。容態が急変、集中治療室(ICU)へ。治療はこれ以上やめたほうがいいと判断し、治療をやめてほしいと院長に伝えた。しかしその後もいろんな薬(輸血とかアルブミンとか)が1ヶ月も投与された。

専門家がこういちさんのカルテを検討。病気の治療ではなく延命の治療がなされていた。なんのための治療だったのか疑問。

こういちさんの死後の扱いはひどかった。

重病人が治療できるICUがある病院を滝山病院は標榜してきた。

朝倉病院。必要のない治療をして延命して診療報酬を不正に得ていた。事件後に朝倉病院は廃院。その院長(朝倉重延)こそいまの滝山病院の院長!

保険医を取り消されたにもかかわらずなぜ滝山病院の院長になれたのか。5年経つと登録できるから。厚生労働省になぜ登録を許したのか尋ねたら個別事案には対応できないと回答。

河合さんが滝山病院から転院。退院の日。7年間入院。荷物ほとんどなし。富士山がよく見える快晴の日に退院。

コメント

  1. 当事者 より:

    30年たってもまだ、こんなことが、続いているのは、公は、狂っている。医療も狂っている。政治が狂っている。必ず、ツケは払う事になる!

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