テスラのソフトウェアによる自動運転は平均的ドライバーより17倍安全

テスラの売り上げの大半の81%強を今のところ電気自動車(RV)が占めますが、Cathie Wood氏が仕切る投資会社Ark Investment Managementの見立てだと、テスラの更なる成功の鍵を握るのはEVの売り上げではありません。

人間の運転手不要の自立運転などのAIの手を借りた他の非EV技術がテスラの売り上げの86%を占めるまでになるとArkは予想しています。

テスラは人間の運転手が不要の完全自立自動運転車・ロボタクシーによる配車の実現を急いでいます。それを成功させるには自立した完全自動運転(autonomous full self-driving、FSD)ソフトウェアを広く受け入れてもらえるようにする必要があります。

テスラを率いるイーロン・マスク氏によると最新のFSDソフトウェア(バージョン12)で顧客が3千億マイルを運転しています。ただし、それはまだβモードで、いざという時に運転できるように人間の運転手の乗車が必要です。

これまでの安全性などを鑑みるに人間不要のFSDソフトウェアがやがては許可されるとArkは見込んでいます。

ArkによるとFSDソフトウェア使用のテスラ車の平均事故率は3200マイル走行あたり1件であり、米国の平均事故率192マイルあたり1件の約17分の1で済んでいます。

マスク氏はロボタクシーが昼夜問わず働くことで収益を生み出す自前の配車事業を作ることを目指しています。また、同社のEV所有者に課金してFSDソフトウェアを売りもするつもりです。さらには、他の自動車メーカーにFSDソフトウェア使用権利を売る案もあります。

去年は968億ドルほどだったテスラの年間売り上げは5年後の2029年には12兆ドルとなり、ロボタクシー事業だけでその63%を生み出すとArkは予想しています。今は総売上の81%を占めるEV車販売はその頃には総売上のたった26%となるとArkは見込んでいます。

Arkのテスラの成長予想はかなり野心的です。

市場が予想するテスラの今年2024年の売り上げは984億ドルです。

マスク氏でさえ長い目でみて毎年50%ほど売り上げが増えればよいとしているのに、Arkの2029年の売り上げ予想12兆ドルをテスラが達成するにはこれから毎年65%近く売り上げを増やしていく必要あります。

Arkが描く2029年のテスラの姿は現実的ではないと長期投資の情報を提供するMotley Foolの記者Anthony Di Pizio氏は言っています

とはいえテスラのFSDソフトウェアは群を抜いて優秀なようであり、Arkの予想通りにはならなくともテスラのこれからの成長を大いに後押ししてくれそうです。

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